母の三十回忌。あれから29年も経つとは。棺の中の天女のような顔が美しかった。
川端康成の「掌の小説」を繰り返し読んでいた私は、とりわけ「死顔のできごと」が好きで、高校生の頃だったか、原稿用紙に写していたほど。
母が亡くなってすぐに解剖を承諾し、終わるのを待って一緒に自宅に戻った。それから苦しそうな母の顔を、小説と同じようにさすった。母の顔はたちまち変化し、天女になった。神々しくて美しかった。世界中の人に見てもらいたいほど、本当に美しく、その微笑は忘れられない。母の顔の変化に周囲も驚いていた。私にできた最後のお礼。小説が好きになったのも母が本を与えてくれたから。

2週間前の大船植物園の睡蓮と、7〜8枚目は更紗空木(サラサウツギ)。睡蓮はこれからも見られるけれど、更紗空木は終わってしまっているだろう。9枚目、花菖蒲。10枚目、大船駅に着くと出迎えてくれ、帰りは見送ってくれる巨大な大船観音。
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