30a2921e.jpg昨日、小鹿田(おんた)焼を載せたので、横道に逸れて、今日は20代で気に入って求めた櫨の谷窯(はぜのたにがま)の花瓶。20センチに満たない小さな器。これの口が少し欠けたときは大ショックだった。
唐津焼の櫨の谷窯は、佐賀県伊万里市南波多町にあり、不便なところ。今なら、そこまで行くのは大変と思うけれど、20代のときは、電車、バスを乗り継いで、後は歩き、あちこちの窯元に行ったものだった。やはり、若いときはエネルギーに満ち溢れていた。今も、これを作った吉野靖義さんはお元気なようだけれど、娘さんもやっていらっしゃるとか。若々しかった吉野さんが来年70歳とは……。とても達筆の方だった。
この花瓶は自然釉(しぜんゆう)で、まったく上薬は掛かっていない。登り窯で焚く燃料の薪の灰が器にかかって、ガラス質の膜を作ったもの。ケイタイで撮ったので色が今ひとつだけれど、実際はもう少し青い。ずっと眺めていても飽きない色。これが火表(ひおもて)。火表とは、窯焚きのとき、置かれた器が焚き口に近く、火の勢いをより強く受ける面。直接、火の勢いを受けない反対側の面が火裏(ひうら)になる。